不妊治療ってどのような治療をするの?

病院で行われる主な治療法

「赤ちゃんに会いたい!」
「我が子をこの腕に抱きたい!」

あなたはこのように思っているのではありませんか?

❝赤ちゃんを授かる❞というのは、本当に奇跡です。
中には、なかなか赤ちゃんを授かることができない方もいらっしゃいます。

特に現代では、不妊に悩む方がふえています。

私もその1人でした。

結婚した子どもを授かる…
当たり前のことだし、すぐに授かることができると思っていました。

妊娠は奇跡

不妊の方が、赤ちゃんを授かるために行うのが『不妊治療』です。

一言で『不妊治療』と言っても、様々な方法があります。

病院で行われる治療法は、大きく分けて2つあります。

「一般不妊治療」「生殖補助医療(ART)」です。

病院での不妊治療法

薬や手術などによる自然妊娠を目指す治療と、
人工授精のことを「一般不妊治療」
と言います。

体外受精や顕微授精など、卵子と精子を体外で扱う、
高度な技術を用いた治療の事を「生殖補助治療(ART)」
と言います。

一般的には、自然妊娠を目指し、成果が現れなければ「人工授精」を、
人工授精でも成果が得られなければ「体外受精」や「顕微授精」を…

というように、段階的に❝ステップアップ❞していきます。

ただし、赤ちゃんを授かりにくくしている原因によっては、
自然妊娠が難しい場合もあります。

年齢が高くなればなるほど、より早く妊娠の確率が高い方法を取ることが望まれます。

これらのケースでは、初めから「人工授精」や「体外受精」等が検討されることもあります。

それでは「一般治療」と「生殖補助医療」で、
それぞれどのような治療が行われるのか、
原因、トラブルごとにまとめていきます。

不妊に悩む方の自然妊娠を目指す「一般治療」

卵管、子宮、卵巣に異常があった場合

卵管に異常がある、子宮内膜症や子宮筋腫、ポリープがある、
卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)や卵巣腫瘍などが明らかになった場合には、
まずそれらの治療を優先します。

子宮内膜症や子宮筋腫の治療で、ホルモン剤を使う場合には、
この間の妊娠は望めません。

妊娠の妨げとなっている病気を治すための治療により、
一時的に妊娠ができなくなる
ということです。

若い方であれば、まずはしっかりと治療してから、
妊娠を目指すという順序がとられることも多いです。

高齢で妊娠を急ぐ場合には病状によって治療が変わります。
軽症の場合には、子宮内膜症や子宮筋腫などの治療はせず、
人工授精や体外受精などを含む、他の不妊治療を優先させることもあります。

子宮卵管卵巣の病
排卵障害など、ホルモン分泌に異常がある場合

ホルモンの分泌に異常があったり、ホルモンバランスが崩れたりして、排卵がうまくいっていない場合には、排卵誘発剤などのホルモン剤を服用したり、注射をしたりしながら、経過をみていきます。

『妊娠する仕組みとホルモンの関係』
でもまとめた通り、❝女性ホルモン❞(卵胞ホルモンや黄体ホルモン)
の分泌がうまくいっていないことが原因で、
子宮内膜が厚くふかふかにならず、
受精卵が着床しにくくなっていると考えられた場合にも、
ホルモンを補強しながら経過をみていきます。

切っても切り離せない関係
男性側に原因がある場合

精子を作るしシステムがうまく機能しないことで、
正直な精子が作られにくくなっている場合

手術で改善できると判断されたものは、手術で治療します。

「静脈瘤」はそのケースに入ります。

しかし、中にはうまく機能していない原因がわからないということもあります。

その場合には、自然妊娠が難しいため、
人工授精や体外受精を勧められることが多いです。

不妊治療は夫婦で一緒に乗り越えよう!
不妊治療の1つ、タイミング法

卵管、子宮、卵巣に異常なし
ホルモン値にも問題なし
排卵もうまくいっていて、精子にも異常はなし…
これらの場合、病院では「異常なし」ということになります。

このように診断される方は、
検査を受けた方の3割にものぼります!
多いですよね!

「異常なし」だからと言って、
「原因はわからないし、お手上げ‼」という事ではありません。

このような時には、多くの場合
❝タイミング法❞をとりながら経過をみることになります。

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妊活パパママ必見!タイミング法で妊娠する秘訣!

❝タイミング法❞とは、
タイミングを計りながら妊娠の可能性を高める方法のことを言います。

この方法は、「異常なし」の場合だけではなく、
卵管、子宮、卵巣に異常があった場合にも、その治療後、
あるいは治療と合わせて行うことがあります。

ここで言うタイミング法とは、
精子と卵子が、卵管の中でめぐり合えるタイミングのことです。

健康な女性の体内に、正常な精子を送り込んでも、
精子が卵管にたどり着いた時に、
そこに卵子がいなければ妊娠はできません。

ご存知の通り、妊娠が可能なのは、1ヶ月に1回の排卵の時期だけです。

あなたも経験がおありかと思いますが、
そのタイミングを自分で正確につかむことは、
とても難しことです。

「たぶん今日だ!」と感覚的に予想すると、ハズレが多くなります。

基礎体温から推測しても、実際の排卵の時期とズレが生じることも、
良くあることです。

また、排卵時期と言っても、排卵当日、前日、前々日では、妊娠の確率も大きく変わってきます。

病院では、

  • ホルモン値の検査
  • 超音波検査
  • 卵胞の発育状態や子宮内膜症の様子を観察

これらの検査から、排卵日を割り出します。

また、計画的に排卵誘発剤を使用することもあります。

これにより、妊娠の確率はグッと上がるのです。

生理がここだから排卵日は…
人工授精(AIH)

自然妊娠が難しい、タイミング法などで自然妊娠を目指していたが、なかなか成果が現れない…

これらの場合には、「人工授精」という方法をとることがあります。

「人工授精」は、タイミング法の次のステップアップとして採用されています。

タイミング法で自然妊娠を目指していて、6ヶ月~1年で成果があらわれなければ、
医師が人工授精へのステップアップを検討するよう、勧めることが多いです。

「人工授精」の方法は、排卵の時期を予測したり、
排卵誘発剤でコントロールしたりして、
精液から健康で元気な精子だけを選び、
受精チューブを使って精子を子宮の中に直接注入します。

人工授精は、短時間で行うことができ、
女性の周期のたびに毎回行うことができます。(月1回です)

人工授精の妊娠の確率は以下の通りです。

・29歳以下……………11.5%

・30歳~34歳………10.3%

・35歳~39歳………8.5%

・40歳以上……………3.9%

20代でも決して高い数字ではありません。
人工授精で妊娠した方の多くは、4~5回までに妊娠しているというデータもあります。

有効な回数の目安は5回目までです。

ステップアップ

人工授精よりも高確率「生殖補助医療」

生殖補助医療(ART)とは、体外受精、顕微授精のことです。
卵管が2つとも管善意閉塞してしまっていたり、
男性側の精子異常が重症であったりなど、
人工授精でも妊娠が難しい場合や、
人工授精を行っても成果が現れなかった場合は、
生殖補助医療の対象になります。

体外受精も顕微授精も

  • 排卵誘発剤を使って取り出した卵子と、採取した精子の中から、
    健康で元気な精子を選び、体外で受精させる。
  • 受精卵を数日間培養した後、細胞分割が始まったら、
    その受精卵を子宮に戻す。

この2点は共通しています。

しかし、次のような違いがあります。

○体外受精(IVF)……卵子と精子をシャーレの中で合わせて受精させる
受精した卵子を十分に育ててから、子宮にもどす

○顕微授精(ICSI)…顕微鏡を用いて、卵子の中に直接精子を注入する

顕微授精は、精子の数が少なかったり、
運動率が極端に低下していたり、卵子の表面が硬すぎたりして、
体外受精しても精子が卵子の中に入り込めずに、受精できない場合に行います。

今では、体外受精や顕微授精で生まれた赤ちゃんは世界で400万人を超え、
日本国内でも年間にうまれる赤ちゃんの55人に1人の割合だと言われています。

体外受精や顕微授精は、
妊娠の確率で言えば、人工授精の数倍
と言われています。

データによると、生殖補助医療で妊娠した方のうち、
1回目が6割2回目までに妊娠した方が7割、
3回目までに妊娠した方が8割、
そして9割の方が5回目までに妊娠しています。

とても高確率ですよね!

また、年齢別の成功率で見てみると、
20代中盤が40%、
30代が35%、
40代が20%以下、
45歳以上が5%
となっています。

やはり、年齢が上がるほど、成功率は下がってしまいますが、
高確率といえるでしょう。

しかし、人工授精とはことなり、
女性の周期ごとに毎回できるものではありません。

というのも、女性の身体に大きな負担がかかってしまう上に、
必ずしも元気な卵子を採卵できるとは限らないからです。

1、2回が限度ともいわれているのです。
3回を超えると、成功率が下がってしまうそうです。

また、費用は全額自己負担で、1回につき30万~70万と、
病院や受診された方の状況によって金額は変わります。

生殖補助医療は、それを実施する施設として登録している病院であれば、
自治体からの助成金が支給されます。

その条件は自治体によって異なりますが、以下のような制限があります

  • 支給の回数制限
  • 支給上限額
  • 年齢上限

また、所得制限を設けている自治体もあります。
自治体に問い合わせてみると良いでしょう。

顕微鏡,がんばって

老化した卵子の質を改善「栄養療法」

この療法は、その名の通り、
不足した栄養を補給して、卵巣機能をアップさせるもの
です。

「分子整合栄養療法」とも呼ばれています。

質の良い卵子を作ることを目的として行われるものです。

60項目以上に渡る検査をして、不足している栄養を特定し、
最低でも3ヶ月以上は、食事療法、サプリメント補給などを行います。

この療法は以下の方に有効です。

  • 機能性不全(原因不明の不妊)
  • 男性不妊(精子や卵巣の異常が原因)
  • 高いFHS数値(別名、卵巣刺激ホルモンの異常が原因)
食事はバランス良く

体質に合う漢方で妊娠力を高める「漢方治療」

この治療法は、漢方を使って、血行や内臓機能を高めて、
妊娠しやすい体質にするものです。

主に血のめぐりを良くすることで、下腹部の体温を上げ、
妊娠しやすい身体を作る事を目的としています。

漢方は、身体に合う、合わないがあるため、問診、触診をして、
今の状態に合った漢方を処方されます。

この療法は、以下の方に有効です。

  • 冷え性、血行不良などが原因の不妊
  • 機能性不妊(原因不明の不妊)
  • 2人目不妊(1人目の出産から2年以上妊娠できない)
  • 西洋医学に基づく治療を避けたい人の不妊

ここで、不妊治療に有効な漢方の主なものをご紹介します。

不妊治療の漢方

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)…冷えやむくみ、生理不順などの症状の改善に効果的

・四物湯(しもつとう)…血の巡りを改善する

・調経種玉湯(ちょうけいしゅぎょくとう)…不妊治療を目的としたもの

・香蘇散(こうそさん)…精神を安定させる

・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)…精神を安定させる

・四逆解毒湯(しぎゃくげどくとう)…ストレスを原因とする不眠症に対して処方するもの

・甘草乾姜湯(かんぞうかんきょうとう)…全身の血行を良くすることで、新陳代謝を促進んする

・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)…血の巡りを改善する

・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)…瘀血(ドロドロの血のこと)の改善に効果を発揮する

・大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)…女性ホルモンのバランスを整える

漢方薬

男性不妊の原因をいち早く見つけよう!

現在では、男性不妊も増えています。
しかし、増えてはいるものの、病院で検査してもらったり調べたりしている男性は結構少ないのです。

というのも、しっかりと理由があります。

〇病院に行くのが面倒くさい。
〇産婦人科に行くのは恥ずかしい。
〇検査っていうと、何をするか分からないから抵抗がある。

などなど・・・。
このような理由があるそうです。

そこで、検査したいけどなかなか病院には行き辛い男性の皆さんに朗報です!!

在宅で検査する方法があるのです!

それは、郵送で検査ができる「精子検査キット」です!

文字通り、ネット上で発注し、検体を郵送するだけで、しっかりと検査してもらえるんです!

検査の内容も知りたいことがしっかりと調べてもらえます。

・精液量
・精液の濃度
・総精子数

上の3つに加えて、精子の画像を受け取ることも可能なんです!

郵送時は、プライバシーを守り、精子検査と分からない形であなたの元に届けられます。

誰にも会わず、誰にも知られずに検査できますよ!

詳しくは別ページにまとめました。
気になる方はぜひご覧ください!

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郵送精子検査は男性不妊の原因解明の近道!

病院での不妊治療ーまとめー

「どうしてできないのかな…」
「何で私だけ…」

このように一人で悩み続けるよりも、病院で検査を受けることは、
有意義なことだと思います。

原因が分かったらそれを治し、妊娠する確率が上がれば、
それに越したことはありませんよね。

また、原因が分かったとしても、
今の自分の身体の状態を知る事ができます。

自分の身体のことが分かると、それもまた、
妊娠の確率を高めることに繋がります。

とは言っても、病院で不妊治療を続ければ続けるほど、
心も身体も疲れ、ストレスになってしまうこともあります。

そしてさらに、お金もかかってしまいます。

焦りが募ってしまう…という方も多くいらっしゃるでしょう。

女性側が続けたいと思っていても、男性側が挫折してしまう。

あるいは、
その逆だってあります。

そのような、夫婦間に温度差が出てきてしまうことも少なくないと思います。

自然妊娠を目指すか、
人工授精や体外受精にステップアップしていくのか…
また、どのくらい続けるのか…

あなたの年齢や状態、周りの環境を考えて、
担当の医師と相談することも大切です。

そのためにまずは、
パートナーと十分に話し合い、
常にコミュニケーションをとりながら、
お互いに納得した上で選択していくことが重要になります。

赤ちゃんがあなたの元に来てくれた後も、
パートナーとのコミュニケーションはかかせません!

今のうちから、たくさん話し合って、より絆を深めてください!

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大事なのはコミュニケーション