妊娠中のトラブルー痔ー

今回は「痔(じ)」です。

「痔」と聞いただけで、ちょっと恥ずかしくなってしまいますね。
でも、妊娠中の「痔」を放置しておくと、深刻なトラブルに繋がってしまうこともあります。

妊婦さんで「痔」を発症することは珍しくありません。
恥ずかしがらず、しっかりと治療すれば悪化せずに済みます。
また、予防策もあります。

ぜひ、参考にしてください。

ここで症状が当てはまったり、心配事が一致したりしたら、かかりつけの医師にしっかりと報告し、診察してもらってくださいね!

自己判断は禁物です!
あくまで参考程度にしてくださいね!!!

痔(じ)とは

痔は、「肛門の病気の総称」です。
「いぼ痔」「きれ痔」「痔ろう」の3つが、三大疾患として知られているそうです。

その中でも、「いぼ痔」と「きれ痔」は多く見られ、一般的は治療薬の対象になっています。

「いぼ痔」は、その場所によって、さらに“内痔核”と“外痔核”に分けられます。

また、「きれ痔」は女性に多い痔です。
特に20代~40代に多く見られます。

「痔ろう」は、男性に多く見られる痔です。

妊娠すると、血液の循環量が増えます。
子宮も大きくなります。
そのため、下腹部以下の静脈が圧迫され、うっ血してしまいます。
そこでさらに便秘になると、容易にいぼ痔を発症するのです。

痔の症状は、妊娠中には珍しいものではありません。
実に20~50%の人に見られます。

妊娠中に出血があると、心配になりますよね。
しかし、この出血が「肛門」からであれば、妊娠にはなんら影響しません。

痔は、素人が自己判断しないことが重要です。
必ず医師に診てもらってください。

痔の原因

肛門に強い負担がかかることが原因として考えられています。

いぼ痔

肛門を閉じる役割をしている部分が腫れたり、その部分を支えている組織が弱くなり、外に出てきてしまいます。
いきみの繰り返し、便秘、下痢、重い荷物を持った時などに肛門に負担がかかり、“肛門クッション”が腫れてしまうことで起こります。
「内痔核」と「外痔核」に分けられます。
内痔核が大きくなり、それを支える組織が弱くなると、肛門から脱出してしまいます。

きれ痔

硬い便の排泄や、勢い良く出る下痢などによって、肛門の皮膚が切れることで起こります。

痔ろう

歯状線のくぼみから細菌が入ると、肛門線が化膿してしまいます。
その炎症が肛門周囲に広がり、膿が溜まります。
これを「肛門周囲膿症」と言います。

これが自然に破れるか切開することにより、膿が排泄されます。
そのまま治る場合もありますが、多くは膿の管(ろう管)が残った状態になります。

これを痔ろうと言います。

長時間立ったり座ったりする。
分娩時のいきみ。
これらも原因になります。

アルコール、カレー、とうがらし、こしょうなども、肛門部への負担をかけます。

痔の症状

痔は、「かゆみ」「痛み」「出血」などの症状を伴います。

いぼ痔

排便した時に出血したり、便が残っている感じがしたり、肛門から痔核が外に出るなどがあります。
通常は、痛みを伴いません。

きれ痔

排便時とその後もしばらく痛みが続き、出血は少量です。
出血は紙に付く程度です。

慢性化する潰瘍(かいよう)になり、肛門が狭くなってしまうことがあります。

痔ろう

肛門の近くが細菌によって化膿し、そこから膿が出た後に、管が残った状態になります。

肛門周囲膿症の場合、38~39度の発熱、激しい痛み、腫れが見られます。
痔ろうは、膿が出てくるので下着が汚れます。

膿の出口が塞がり、再び膿が溜まると、肛門周囲膿症と同様の症状になります。

痔の予防

便秘をしない

妊娠中に多い症状とは言っても、必ず痔になるというわけではありません。
何よりの予防策は、「便秘にならないようにする」ことです!!

圧迫しない

○長時間立ったり座ったりする。
○排便時に無理にいきむ。
○トイレに長時間かける。
これらはよくありません。

排便を短くするために、足を踏み台に乗せてみてください。
排便が楽になりますよ。

1日に数回、できるだけ左を下にして横になって、直腸の静脈を圧迫から解放しましょう。
この姿勢で、テレビを見たり読書をしたりすると良いですよ。

寝る時には、“あおむけ”ではなく“横向き”で寝てください。

局部の不快感を和らげる

1日2回、お尻をお湯につけて温める。

こうすると、不快感をやわらげられます。

保冷剤を局部に当てるのも効果があります。

『温める』のと『冷やす』のとで、気持ちが良い方を選んでも良いですし、交互に試してみても良いでしょう。

医師の許可がない薬は使わない

「塗り薬」「坐薬」「便柔軟剤」「下剤」
これらを使う際には、あなたが妊娠していることを承知している医師が処方したものを使うようにしてください。

清潔に保つ

排便後には、膣から肛門までをお湯で洗ってください。
必ず前から後ろに拭いてください。

できるだけトイレットペーパーは真っ白なものを使用し、ゴシゴシと拭かないようにしてください。

しっかりと手入れをしていれば、痔は慢性化しません。

分娩で悪化することはありません。
適切な処置をすれば、たいてい出産後に治ります。

血行を良くする

直腸、肛門部の静脈の血行が悪化することで、痔を発症します。

ということは、血行を良くしておけば痔の予防になるということになります。

マタニティスイミングは、血行を改善してくれるのでオススメです!

食事に気をつける

便秘にならないような食事を心がける。
便通を整えておくと、長時間トイレに座る必要も、強くいきむ必要もなくなります。

まとめ

あなたの症状はいかがですか?

どのような症状であれ、すぐに医師に相談してください!

恥ずかしさから、躊躇してしまうかもしれません。
でも、大体の妊婦さんが経験していることです。
医師は的確にアドバイス、治療をしてくれるはずです!

恥ずかしがっていて、医師に診てもらうことなく放置し、症状が悪化してしまってはいけません。

ぜひ、かかりつけの病院へ受診してくださいね!!

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