一言で「赤ちゃんができない」「不妊」と言っても、その原因は人それぞれです。
はっきりした原因が分からない場合もあります。
不妊の原因があなたの身体にあるのか・・・。
それとも、パートナーの身体にあるのか・・・。
それとも身体ではなく、環境にあるのか・・・。
それとも日頃の生活の中にあるのか・・・。
今あなたが悩んでいる「不妊」に関することも、ここで少しはっきりすることもあるかもしれません。
私、ヤマチも不妊に悩み、苦しんだ経験があります。
その経験もちょっと盛り込みながら、不妊の原因についてまとめます。
ちょっとでもあなたの悩み、負担が軽くなりますように・・・。
何かのきっかけになりますように・・・。
目次
不妊の原因は『4つ』
先ほども書きましたが、赤ちゃんを授かれない、不妊の原因は本当に様々です。
その様々な原因の中にも、一般的に大きく4つに分けられます。
では、その4つをお伝えします。
別ページの、『妊娠する仕組みとホルモンの関係』の「排卵が起きるまで」「着床・妊娠まで」にまとめた流れに沿ってまとめていきます。
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妊娠する仕組みとホルモンの関係
①排卵の障害
『妊娠する仕組みとホルモンの関係』の「排卵が起きるまで」でまとめた①~⑥の過程で、ホルモンの分泌のトラブルが起こり、排卵がうまくいかないケースです。
例えば、①の段階で、“総司令塔”でもある「視床下部」にトラブルが起こると、原始卵胞が育たず、卵子ができなくなってしまいます。
卵子ができないということは、もちろん排卵も起こらなくなります。
また、原始卵胞がちゃんと育って卵子ができていても、ホルモンバランスの異常などで、卵子が卵巣から排卵できなくなることもあります。
『多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)』は、これに当たります。
※多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)については、以下の項目にある『不妊に繋がる子宮・卵巣のトラブルの例』の④に詳しく記載しています。
ホルモン分泌のトラブルには、ストレスや体調不良が大きく影響している場合も多いことが分かっています。
ストレスをためない、規則正しい生活習慣を目指し、体調を整えておくことが大切と言うことですね!
以下のページに、ストレスフリーの生活、理想の生活習慣をまとめました。
せひ、参考にしてください!
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妊娠力アップを目指すためのライフスタイル
妊活中に意識したいストレスフリーの生活
②卵管の障害
『妊娠する仕組みとホルモンの関係』の「着床・妊娠まで」の中の⑧、⑨の過程でのトラブルです。
排卵された卵子が卵管を通りにくい、もしくは完全に通れないケースです。
卵管のどこかが癒着していたり、狭くなっていたり、詰まっていたりするために起こります。
このような卵管の奇形や異常は、「クラジミア」という細菌による感染症や、子宮内膜症、子宮筋腫などで起こることも多いです。
その他に、「中耳炎」や「腹膜炎」などの腹部の病気や、過去に受けた開腹手術の影響を受けて起こる場合もあります。
全く原因不明ということもあります。
また、卵管に異常があると、『妊娠する仕組みとホルモンの関係』の「着床・妊娠まで」の中の⑨の段階で、精子が卵管を上って卵子とめぐり合うことも難しくなってしまいます。
③子宮頚管の障害
『妊娠する仕組みとホルモンの関係』の「排卵が起きるまで」の⑥、「着床・妊娠まで」の⑨の段階でのトラブルです。
精子が、子宮頚管から分泌される頚管粘液を潜り抜け、子宮に入っていけないというケースです。
これには、2つのパターンが考えられます。
この2つです。
外から入ってきたものに対して、「本来の身体にはない異物」と身体が過剰に反応して、この異物をやっつけるために身体の中の「抗体」という物質が働きます。
アレルギー反応の原因にもなります。
④子宮の障害
『妊娠する仕組みとホルモンの関係』の「排卵が起きるまで」の⑤の子宮内膜が十分に厚くならないトラブル、「着床・妊娠まで」の⑩の段階でのトラブルです。
受精卵が子宮内膜に着床できなかったり、着床できても育たなかったりするケースです。
子宮は、お腹の中にある赤ちゃんのベッドです。
受精卵が着床して発育していくためには、このベッドの布団にあたる「子宮内膜」に十分な厚さがあり、ふかふかにやわらかくなっていなければなりません。
『妊娠する仕組みとホルモンの関係』の⑤や⑦の段階で、女性ホルモン(卵胞ホルモンや黄体ホルモン)が十分に分泌されていなかったり、子宮に十分な栄養が行き渡らなかったりすると、子宮内膜が薄いままだったりふかふかにならなかったりします。
その結果、受精卵が着床できなかったり、着床できても赤ちゃんが育たなかったりします。
通常の子宮内膜は、1cmくらいまで厚くなります。
6mm以下の厚さだと、着床が困難になります。
この子宮内膜の厚さややわらかさの問題には、ストレスや体調からの影響が関わっていることも少なくありません。
また、子宮内にポリープや子宮筋腫、子宮内膜症があると、受精卵は着床しにくくなります。
その他にも、生まれつき子宮が奇形であるために、受精卵の着床や発育が妨げられる場合もあります。
子宮の奇形は、全女性の5%にみられるそうです。
不妊に繋がる子宮・卵巣のトラブルの例
①子宮内膜症・チョコレート嚢胞・子宮腺筋腫
本来は、子宮内にしかない子宮内膜が、子宮以外の場所にできてしまう症状です。
卵巣、卵管、膣、小腸、膀胱、尿管など、下腹部の内臓や器官、組織に発生します。
子宮以外の場所にできた内膜も、ホルモンの周期に従って厚くなり、月経時には剥離して出血します。
しかし、体外に出せないので体内にたまってしまいます。
チョコレート嚢胞とは、卵巣内に内膜症ができ、出血して血液がたまってしまったものです。
大きくなると、卵巣が肥大化して、子宮と密着を起こしてしまいます。
子宮腺筋腫とは、子宮内膜が、子宮の筋肉内に入り込んで広がってしまったものを言います。
子宮が腫れ、子宮筋腫と症状が似ています。
②子宮筋腫
子宮筋腫は、良性の腫瘍です。
直接生命にかかわるものではありません。
しかし、放置しておくと、女性ホルモンの働きによって大きくなります。
なお、筋腫の0.5%に、悪性の子宮筋腫が含まれることもあります。
③子宮頸管ポリープ・子宮内膜ポリープ
ポリープとは、粘膜が増殖してできたキノコ状のやわらかいイボのような突起物です。
子宮頚管ポリープは、米粒大(2~3mm)から、10mmくらいになることがあります。
子宮内膜ポリープは、10cmくらいになることもあります。
ガンなどの悪性に変化することはほとんどありません。
細菌感染などから、炎症を起こしたことが原因になる他、子宮内膜ポリープは、卵胞ホルモン(エストロゲン)の影響でできている場合が多いです。
なお、エストロゲンの影響で、月経時に子宮内膜が全て剥がれ落ちずに増殖してしまう「子宮内膜増殖症」とは区別されます。
④多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
卵巣の表面が硬くなって排卵が起こりにくくなり、卵巣内である程度まで発達した卵胞が、排卵できずに卵巣内にたまってしまった状態を言います。
イクラのように固まっていたり、じゅず上(ネックレスサイン)になっていたりします。
インシュリンの作用で、卵巣内の男性ホルモンや黄体化ホルモンが高くなっていることが原因だと考えられています。
肥満度の高さも関係しています。
自覚症状として、月経周期が35日以上、無排卵などの月経不順や、男性ホルモンの影響でにきびができやすくなったり毛深くなったりします。
不妊の原因、赤ちゃんがなかなかできないのは、この4つのタイプのうちの1つが原因になっている場合もあれば、いくつもが重なっている場合もあります。
これらの原因の中には、「ストレス」や「体調」が大きく関わっているとお伝えしました。
でも、ストレスを感じやすい人なら、様々な原因を抱えてしまっている可能性も考えられます。
これまでに挙げた4つのタイプを原因以外にも、妊娠を妨げている原因がは存在します。
それらに関して、次にお伝えします。
卵子と不妊の関係
女性は、卵子の元となる「原始卵胞」を、胎児の時から持っています。
産まれてくる時には、大体200万個くらい持っているそうです。
この数は、減ることはあっても増えることはありません。
「原始卵胞」は、産まれた後に新たに作られることはなく、初潮を迎えた後は、どんどん減っていってしまいます。
少なくとも月に1回の排卵で1個は減っていきます。
でもそればかりではないのです。
実は、月1回の排卵のサイクルの繰り返しの中で、1日あたり30~40個の「原始卵胞」が消費されて、消えていっているのです!
1日30~40個ということは、1年で1万950個~1万4600個も減っています。
さらに、この減少のスピードは、年をとると共に速まります。
特に30歳を過ぎた頃から、加速がかかり、毎日毎日減り続けます。
37歳くらいで、だいたい2万5000個にまで減ってしまうそうです。
そうして40代半ばを過ぎた頃には、限りなくゼロに近くなっていき、閉経を向かえてゼロになってしまうのです。
すごいじゃん!!
そう思われる方もいらっしゃるかと思います。
世界には、かなりの高齢で妊娠、出産したという話も聞いたことがあります。
でも、50歳での妊娠はほとんどあり得ないと思って良いです。
なぜかと言うと・・・
「原始卵胞」は、こうして年々減少していくだけではなく、身体が年をとっていくのと同様に、「老化」もしていくからです。
「原始卵胞」が老化すれば、「原始卵胞」がからできる卵子も、老化していくということになります。
卵子の老化ってどういうこと?
老化が進んだ卵子は、「質」も低下していきます。
すると、染色体の異常が起こりやすくなります。
その結果、次のような障害やリスクが発生する可能性が高くなります。
○精子を受け入れる力がなくなる。
○受精しても、細胞分割ができなかったり、途中で止まったりする。
○受精卵が子宮内膜まで届かず、着床できない。
○赤ちゃんに奇形や障害が生じる。
○赤ちゃんが発育できず、流産してしまう。
ちなみに、「1年以内の妊娠率」と、「妊娠までにかかった平均期間」については、以下のようなデータもあります。
26~29歳・・・約90%
30~32歳・・・約85%
33~36歳・・・約70%
37~39歳・・・約60%
26~29歳・・・20ヶ月強
30~32歳・・・30ヶ月弱
33~36歳・・・50ヶ月弱
37~39歳・・・60ヶ月弱
上記からも分かるように、30歳前後を境にして、確率はガクッと下がり、期間も延びています。
産婦人科学会によれば、35歳で体外受精を始めて、出産した割合は16.8%ほどで、40歳で始めた割合は、8.1%というデータもあります。
「体外受精をしたら確実に妊娠できる」と思っている方も少なくないようですが、実際にはそうではないのです。
20代後半でも、体外受精で妊娠できるのは27%くらいなのです。
そして、年を重ねるほどにその確率は下がり、妊娠が厳しくなってくるのです!
不妊の原因ーまとめー
いかがでしたか?
不妊の原因は、大きく分けて4つでした。
あくまで“大きく分けて”です。
その人その人で、環境や体調も違うため、不妊の原因も様々です。
今回お伝えした4つの他にも、考えられる原因はたくさんあります。
別ページに、“卵子と精子の相性”による不妊や、男性側で考えられる不妊についてなどをまとめてあります。
ぜひ参考にしてみてください!
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