鍼灸に関しては、以下のページでも簡単にお伝えさせていただきました。
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不妊の原因!冷え対策「攻め」編
妊活や不妊には、鍼灸や漢方が効果的です。
あなたの体の状態をしっかりチェックした上で、必要な治療を施してくれます。
今回は、その『鍼灸』について、深く掘り下げてまとめました。
目次
「鍼灸」があなたの身体を変えることができる理由
現在では、日本だけでなく、世界中で「鍼灸」が妊娠への効果があると認められるようになりました。
中でも、PCOSの症状がある患者さんには、次のような施術を行うそうです。
〇「交感神経」の働きすぎによる全身の緊張をほぐすために、浅い鍼を全身に行う。
〇卵巣の機能を正常に戻すために、お腹や骨盤周りに鍼を少し深めに刺したり、お灸をしたりする。
これらの施術によって、ほとんどの方が疲れやストレスで固まっていたお腹が緩み、リラックスできるようになったり、ホルモンバランスが整ったりするのです!
施術によって、骨盤内の血流が増えて、血液や栄養が十分に行き届くようになるからです!
本当に妊娠において、血流ってとても大切なものなのです。
多嚢胞性卵巣症候群のことです。
卵巣で、男性ホルモンがたくさん作られることで、排卵しにくくなってしまう疾患です。
女性の20~30人に1人の割合でみられます。
「多嚢胞性」と呼ばれる由来は、排卵されない卵胞が、卵巣にとどまってしまい、超音波の検査で見ると、たくさんの卵胞(嚢胞)が認められるためです。
様々な施術法が存在する!
日本の鍼灸では、全ての人に同じ施術をするということはありません。
例えば・・・。
西洋医学では、『鍼の電気治療を30人に行う』という場合には、この30名全員に、全く同じ施術を行いますよね。
東洋医学は違うのです。
東洋医学に基づいた日本の鍼灸では、30名の患者さんがいれば、30通りの施術法があるのです。
施術の方針は同じでも、患者さん一人一人の状態、条件に合わせて、細かな部分がそれぞれで違ってくるからです。
例えば・・・。
これらに個人差が出るのです。
いわば、鍼灸は患者さん一人一人に行う『オーダーメイドの施術』なのです!
そのため、「これをやれば、どの人にもこの効果がある」というデータを集めることはできません。
しかし、一人一人の施術の効果は、よりあらわれやすくなるのです!
「人によって施術方法が違う」というのは、施術の結果が同じでも、それまでの過程に違いがあるということです。
結果が同じなのに?
そうです。
なぜかというと、施術前の状態が、その人によって違うからです。
そりゃそうですよね!
施術前に全く同じ状態、症状の人がいるということは、ほぼありませんよね。
そのため、施術を行う前に、患者さんの状態や症状をしっかりとつかみ、そこで分かった状態からどのような施術を施すかを決めていくのです。
最も最短で、着実に良い結果にたどり着ける施術方法を、しっかり計画を立ててから始めていきます。
しっかり計画を立てても、その過程で計画を変更することも多くあります。
患者さんの身体が変化するからです。
その身体の変化もみながら、計画の一部を変更することもあるのです。
このように、「鍼灸」は患者さんそれぞれの状態にとって、最適な方法をとるようにしているのです!
患者さんの状態や症状をしっかりと把握し、それに最適の施術方法をしっかり計画し、施術開始からも身体の変化を考慮して計画を練り直す・・・。
この繰り返しと積み重ねで、「異常な状態」が徐々に改善し、少しずつ「元の状態」に戻っていきます。
そして、手に入れた「元の状態」をキープできる身体をつくっていくのです。
東洋医学は『あなただけ』の原因を探る!
先ほどの言った通り、東洋医学では、一人一人に合った治療、施術を行います。
西洋医学では、「どんな人にも効く」という治療法や薬を研究しています。
そして、一定の実績ができたら、治療法・治療薬として認められ、多くの人たちがその治療法や薬を使うことができる・・・。
これが西洋医学の基本になっています。
しかし、東洋医学では、一人一人の身体に合った施術・処方、つまり「オーダーメイド」で治療を行うのが基本です。
「鍼灸」だけとは限りません。
一人一人の身体に合った施術・処方を行うために・・・
1、その人が今、どんな状態にあるのか、どんな症状に見舞われているのか。
2、同じような状態・症状でも、その状態や症状があらわれているのはどんなことが原因なのか。
3、その「原因」の裏にある根本にある「原因」、その人の身体の性質(体質)はどうか。
これらを突き詰めていきます。
例えば・・・。
「赤ちゃんが授かりにくい」状態にある患者さんで、その原因が「血行が悪い」ことにある場合で見ていきましょう。
原因である「血行不良」の裏に、根本的にある原因がなにか、どんな症状が潜んでいるのか・・・。
細かく突き詰めていくということです。
「血流が悪い体質」なのか「冷え体質」なのかなど、何がその根本的原因になっているのかによって、さらに細かく分けてとらえていきます。
「血流が悪い」ということを例に挙げると、少なくとも“血液の量は十分だが、ドロドロの状態になっていて血流が悪い”場合と、“血液の量が少なく、血流が悪い状態になっている”場合があります。
ただ単に「血流が悪い」と言っても、このどちらかによって、異なる施術法・処方をとることになります。
これが東洋医学の基本です!
今後の施術法を決めるために、最初のカウンセリングには長い時間をかけます。
患者さんの話をしっかり聞き、良く観察をして、症状を深く理解し、その人だけの原因を探ります。
その上で、数千年の歴史の中で積み上げられたノウハウをもつ「鍼灸」を行うのです!
《6つの体質》のうちあなたはどれ?
【氣】【血】【水】の考え方
東洋医学の考えとして、体内にある【氣(き)・血(けつ)・水(津)(すい)】の3つの要素が、「気力」「体力」「活力」の源として働き、内臓・器官・組織が機能して心身が活動するとされています。
この3つの要素には、それぞれ以下のような役割があります。
【血】とは、文字通り血液のことです。
【水】も、文字通りの水分のことです。
では【氣】は何でしょう?
これは、東洋医学の独特の概念です。
「気功」の【気】、「合気道」の【気】、また「元気」というのも【氣】が高い状態であることを表しています。
このように書くと、なんとなく理解していただけるのではないでしょうか。
そして、【血】は【氣】によって全身を巡り、【氣】は【血】から栄養分を与えられ、それぞれの役割を果たしていると考えられています。
この【氣】や【血】、【水】が身体の中を巡り、栄養や活力が行き渡り、十分に身体が潤っていれば、人は心身ともに健康で元気に活動することができるのです!
しかし、【氣】【血】【水】が不足していたり滞ったりして、巡りが悪くなっていると、すぐに身体に不調があらわれます。
そして、その不調は身体だけでなく、心にもあらわれてしまいます。
これが東洋医学の前提になっています
【氣】【血】【水】から見る「体質」
【氣】【血】【水】に、どのような不具合が生じているのか、どのような状態になっているのかによって、身体や心にあらわれる不調も異なります。
具体的には以下のようなタイプに分類できます。
①【氣】が少なく、弱まっている状態(氣虚ききょ)
②【氣】の巡りが滞って、イライラやうつがたまっている状態(氣滞きたい)
③【血】が少なく、貧血状態のために血が全身に巡っていない状態(血虚けっきょ)
④【血】がドロドロになって、血の巡りが滞っている状態(瘀血おけつ)
⑤【水】が少ないため、体内の冷却システムが働いていない状態(陰虚いんきょ)
⑥【水】がたまりやすい状態(新陳代謝が悪くなっている)(痰湿たんしつ)
上記のような状態が長く続けば、不調も長く続いてしまいます。
それがその人の体質になります。
また、①~⑥のどれか1つではなく、【氣】が滞れば【血】も滞り、【水】もたまりやすくなるなど、複数の不調が起こってることが多いのです!
6つの不調にも「鍼灸」が効果的!
「鍼灸」では、今その人がどのよう状態にあるのかによって、身体の中にある多くのツボの中から、的確なツボを選ぶことから始まります。
そして、そのツボを刺激し、以下のような作用を身体に与えてくれるのです。
〇自律神経を整える。
〇【氣】の巡り、【血】の巡りを良くする。
〇緊張状態をほぐす。
このようにして、【氣】【血】【水】が体内で正常に、スムーズにそれぞれの役割を果たせるようにしてくれます。
こうして徐々に不調を解消していき、体質を改善していくのです!
「基礎体温」も重要な羅針盤!
妊活でも大切だとされているのが「基礎体温をつけること」ですよね。
「鍼灸」の施術でもとても大切なのです。
「基礎体温」は、今のあなたの体の状態を知る手がかりの一つです。
「鍼灸」でもその情報を取り入れて、施術計画を立てていきます。
また、施術開始後にも、施術の効果や開腹の度合いを「基礎体温」から知ることもできるのです。
でも、あなたはこんな経験はありませんか?
妊娠するために「基礎体温」をきっちりとっていて、タイミングを探っていたのに、結局できなくてまたイチから・・・。
そんなことを繰り返していると、体温計を見るのも、計るのもストレスに感じてしまうなんてこと・・・。
そうなんですよね。
妊娠の判断要素として「基礎体温」をつけていると、ストレスになってしまうこともあり得ます。
でも「基礎体温」は、あなた自身があなたの身体のことを知ることができる数少ない手段の1つです!
そして、「基礎体温」は女性だけの特権です。
そのため、ぜひ妊娠のためだけではなく、体調を知るためにも「基礎体温」はつけるようにしてください!
基礎体温から分かる施術法~例~
①高温期の途中で体温が低下したり、高温期の体温が全体的に低い場合
この場合は、“黄体”がうまく働いていない可能性が考えられます。
特に、2~3ヶ月このような状態が続いている場合には、その可能性がかなり高いです。
こうしたケースでは、骨盤の内側に血液を送る施術が必要になります。
②高温期が続かない(短い)場合
これは、「プロラクチン優位型」のケースです。
プロラクチンは、炎症がある場合やストレスがある場合に多く分泌されます。
特に炎症が見られないという場合には、ストレスが原因だと考えられます。
このような場合には、骨盤内というよりは、全身のストレスを取り除く施術を中心に行っていきます。
③基礎体温がバラバラの場合
高温期・低温期が見分けられないようなケースです。
このケースは、病院での不妊治療のために、排卵誘発剤を大量に使用していた時にみられる典型的なパターンです。
この場合には、少しの間、身体全体のコンディションを整えるための施術を行います。
④施術法はその人の目標、方針によって様々!
「基礎体温」から、何が問題になっているかを判断し、施術の目標と方針を決め、その人にピッタリの施術法を定めていくのです。
その後は、「基礎体温」の変化から施術の効果を判断し、施術法を微調整していきます。
『効果を目に見える形で表す』ということは、思いのほか難しく、そして大切なことです。
体質の変化というのは、ある程度の段階に進むまでは、なかなか自覚できないものです。
そのため、「これって本当に効果があるの?」と不安になってしまうかもしれません。
でも、少しずつでも目に見えて効果が分かれば、施術を受けることも楽しくなりますし、なによりもやはり嬉しいものですよね!
「鍼灸」で不妊からの回復を早めるポイント
妊活・妊娠にとって邪魔な存在になっている、様々な身体の不調の元となっている体質を改善するには、それなりに時間がかかるものです。
妊活は、「いつまでものんびりと時間をかけて行っていく」というわけにはいかないこともありますもんね!
少しでも早く良い効果を得たいですよね。
そのためのコツがあります!
それは・・・。
不調がある時・不調がひどい時・思い立った時などだけ、施術を受けるのではなく、定期的・継続的・計画的に施術を続けること!
なぜ定期的に施術を受けた方が良いのかと言うと、1回の施術で、施術前よりも良い状態になったとしても、その状態がキープできるのは、大体3日ほどです。
それを過ぎると、身体の中でまた元に戻る力が働き、回復の度合いがダウンしてしまいます。
そして2週間が経つと、施術前の状態に戻ってしまうのです。
お分かりのように、このようなことを続けていたら、いつまで経っても体質は改善されません。
施術後の良い状態をキープするためには、施術後の状態がキープできている間に、次の施術を受ける方が良いのです。
そうすることで、元の状態に戻ることなく、2回目の施術の効果によって回復の度合いが上昇します!
これを繰り返していくことが、回復を早めるポイントなのです!
「鍼」の不安を解消!
鍼ってやっぱり痛い??
見てて痛そうだし熱そうだし、不安だな。
やっぱりちょっとは痛かったりするんでしょ?
あなたもそう思っていませんか?
私、ヤマチはそうです!
テレビとかで「鍼」の施術を受けている様子を何度も見たことがありますが、ハリネズミみたいな状態になっていて、明らかに痛いだろう!と思っていました。
「お灸」は、見ていて「熱そう!」としか感じませんでした。
「きっとああやってやっている人は、何度もやって慣れちゃっている人なんだ!」と思っていました。
それに、昔からの言葉で「お灸をすえる」という言葉もありますよね。
このようなことから、「鍼灸」は痛み、苦痛を伴うものと思われがちなのです。
しかーし!!
現在の「鍼灸」は、痛くも熱くもないものもあるそうです!
安心してください!
さらに、日本の鍼は、中国のものよりも細く、通常のものでも0.24ミリ程度だそうです。
0.12ミリくらいの細さのものを使っているところもあるそうです!
ちなみに、平均的な髪の毛の太さは、0.1ミリです。
日本の鍼は、少し太めの髪の毛程度ということになります。
いくら細くでも痛いものは痛いんじゃ・・・?
そこで、鍼の施術を受けた方対象に行った調査結果をご紹介します。
・痛みを全く感じない。・・・57%
・蚊に刺された程度の感覚・・・32%
・最初にチクッとするものの、痛いというほどではない・・・15%
・痛い・・・4%
全く痛みを感じないという方が、実に半数以上でした。
施術後に、「あまりにも痛くないからビックリ!」と思う方も多いそうです。
鍼灸の痕(あと)は残る?
多くの方の場合、痕が残ることはありません!
極まれに青あざが残る方もいるらしいですが、それも1週間程度で消えてしまいます。
「お灸」も、「熱いし痕が残る!」と思われがちですが、今では“火を使わないお灸”もあります。
そのお灸は、火ではなく、遠赤外線などを使うそうです。
火を使うタイプのお灸でも、『八分灸』と言って、もぐさが八分くらい燃えて、熱くなるかならないかくらいで火を消して、皮膚の上から取り除くという方法をとると、熱くもないし、痕も残りません。
「痛くない」「熱くない」「痕が残らない」よりも大切なこと
皆さんがどうしても気になることは、やはりこの3つですよね。
「痛くないか」「熱くないか」「痕が残らないか」・・・
これらの心配がないことは、お分かりいただけましたね☆
でも、それよりも大切なことがあるのです!
忘れられがちなのですが、その大切なこととは・・・
ということです!
「鍼灸」は、人間の「自然治癒力」を呼び覚まし、その力を使って身体を回復させます。
普段、薬に頼りすぎていると、「自然治癒力」の力をうまく使えなくなってしまいます。
その本来もっている力を、「鍼灸」によって取り戻すと言っても良いでしょう。
元々あなたがもっている力を使って回復させようとするので、副作用があるわけがないのです!
ただし!
『好転反応』と言って、「自然治癒力」を使って、回復しようとする反動で、一時的に痛みや熱、だるさなどの症状が出る場合もあります。
このような『好転反応』が出た時の方が、その後の体調が良いことも多いそうです!
この反応は、1~3日続くこともありますが、心配はいりません。
しかし、我慢できないほどの症状が出た場合には、かかりつけの鍼灸院に相談してください!
妊娠体質へ近づけるためのセルフケアのコツ
「鍼灸では、その人が今どのような状態にあるかによって、身体にあるたくさんのツボの中から、的確なツボを選ぶことから始める。」ということをお伝えしました。
そこでクイズです!
人の身体には、どれくらいのツボがあるでしょうか??
①120個
②360個
③540個
④1080個
正解は③の360個です!!
2006年に、WHO(世界保健機関)によって、361個の経穴の場所が万国共通の基準として標準化されています。
鍼灸師さんは、その360個あるツボの中から、「ココだ!」と的確に見つけ出して施術を行います。
もっとも、360個あるツボの中で、効果の大きいツボは、大体40個くらいです。
そして、この40個のツボは、一般の方でも比較的見つけやすいツボなのです。
そのツボさえ押すことができれば、自分でも刺激することができます!
妊娠体質への体質改善を目指す場合には、プロの施術を受けつつ、自分でセルフケア(ツボのマッサージやお灸)を行うと良いです。
先ほどのお伝えしたとおり、お灸は火を使わないものもありますし!
セルフケアのコツは、あまり強く押しすぎないことです。
軽く気持ち良い程度に押したり、お灸をする場合には短時間でパッと温めるようにしてください。
カイロなどで長時間温め続けると、低温やけどをしやすいので注意です!!
「鍼灸」ーまとめー
いかがでしたか?
少し、「鍼灸」に関しての見方が変わったのではないでしょうか?
あなたの体の不調、改善したい体質があるならば、ぜひ「鍼灸」の施術を検討してみてはいかがでしょうか?
妊活にももちろん、普段のあなたの健康な生活のためにも、とても効果的です!
「鍼灸」によって、あなたの身体が改善され、妊娠しやすい身体へと近づけるように心から願っています!
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