妊娠する仕組みとホルモンの関係

妊娠とは

 妊娠とは、卵子❞と❝精子❞が、
女性の中でめぐり合い、結びついて❝受精卵❞となり、
その受精卵が細胞分裂を繰り返して、
子宮内膜に着床し、
赤ちゃんが発育していき、
出産に至るまでの状態
を言います。

妊娠の仕組み

女性は、産まれた時から体の中に❝卵子❞を持っています。
❝卵子❞の元となる卵である❝原始卵胞❞を、胎児の時から持っているのです。
❝原始卵胞❞は胎児の時には700万個もあります。
しかし、産まれた時には200万個ほどになっているのです。
その後❝原始卵胞❞はどんどん減っていき、12~13歳の頃には30万個くらいにまで減ってしまうのです。

❝原始卵胞❞の中から選ばれた1個が、
毎月1回、❝卵子❞となり、
卵巣から外へ飛び出します。

これが『排卵』です。

『排卵』は、月経開始日から14日後頃に起こります。
初経は、平均して12~13歳で起こります。
初めのうちは「無排卵月経」であることが多いです。
月経は、28周期前後を1周期として起こります。

排卵、妊娠とホルモンの関係

『排卵』のために大切なのが❝ホルモン❞です。
人の身体の中には40種類ものホルモンが分泌されています。
それらはそれぞれ役割をもっています。
その中で、妊娠に大きく関わるホルモンをご紹介します。

  1. 性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GhRH)
  2. 卵胞刺激ホルモン(FSH)
  3. 黄体化ホルモン(LH)
  4. 卵胞ホルモン(エストロゲン)
  5. 黄体ホルモン(プロゲステロン)

 これらのホルモンがしっかり分泌されていて、バランスがとれているということ。
それが妊娠、出産にはとても大切な条件と言っても過言ではありません。

この5つのホルモンをコントロールしているのが、『視床下部』です。
『視床下部』が正常に機能していないと、
ホルモン分泌も正常に行われないということは予想がつきますよね。

視床下部重要

排卵が起きるまで

 それでは、
どのホルモンがどのように働いて、
排卵や妊娠に至るのか、その流れをまとめていきます。

「視床下部」が「性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)」を分泌し、「脳下垂体」を刺激する

②刺激を受けた「脳下垂体」が性腺刺激ホルモンである「卵胞刺激ホルモン(FSH)」を分泌する

③「卵胞刺激ホルモン」の働きによって、卵巣内の原始卵胞の1つが発育し始める
※卵巣は親指の先くらいの大きさ
※原子卵胞は、卵子になる前は数万個ある

④卵胞が発育するにつれて、卵巣から「卵胞ホルモン(エストロゲン)」が分泌される
それによって、卵胞の成熟が進む

⑤卵胞ホルモンの働きにより、「子宮内膜」が厚くなっていく
卵胞ホルモン分泌がピークを迎えると、視床下部から支持が出され、脳下垂体から「黄体ホルモン(LH)」が分泌される

⑥黄体ホルモンが卵巣に働きかけ、卵胞から卵子が飛び出す
これが「排卵」
排卵は左右の卵巣から交互に行われることが多いが、片方から続けて排卵されることもある
排卵が近くなると、卵胞ホルモンの働きによって子宮頚管から「頸管粘膜」が分泌される
※「頸管粘膜」とは…一般的に「おりもの」と呼ばれるもので精子が子宮に入りやすくするためのもの

⑦排卵後の卵胞は「黄体」という組織になる
そこから「黄体ホルモン(プロゲステロン)」が分泌され、子宮内膜がやわらかくなっていく

ホルモンの仕組み

着床・妊娠まで

⑧排卵した卵子は、
卵管采(ラッパ管)に取り込まれていき、
卵管に入り、卵管を下がっていく

⑨射精された精子が頸管粘膜を通り抜け、
子宮を通って卵管に入り「卵管膨大部」で卵管を下ってくる卵子と合い、受精する
卵子が1度受精すると、他の精子は受け付けなくなる
射精から受精までは1~2日ほどかかる
射精された精子の数は、2~4億個ある
その中で卵管へたどり着く精子は、約5000個
その先の卵管膨大部へたどり着く精子は、わずか約500個

⑩受精卵は、2→4→8→16…と細胞分裂をしながら、2~4日ほどかけて卵管を下って子宮に入る
受精から1週間後(妊娠3週頃)に、子宮内膜に潜り込んで着床する
これを「妊娠」という

着床した受精卵からは、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)が分泌され、「胎盤」が形成され始める
このhCGに反応することで、妊娠検査薬で「陽性」の反応が見られる
受精卵の外側には❝絨毛(じゅうもう)❞と呼ばれる細かい枝のようなものが出ていて、この❝絨毛❞が子宮内膜に入り込んで栄養を取り込み、成長していく
胎盤は徐々に形作られ妊娠中期には完成する
胎盤は、必要な栄養や酸素を取り入れ、不要な二酸化炭素や排泄物を母体に送る働きをする

妊娠する仕組み

妊娠が成立しても、
ママ自身はまだはっきりとした自覚はありません。

しかし、身体には以下のような様々な変化が現れ始めます。

  • 体温が高めの状態が続く
    (高温期が続く)
  • 風邪でもないのに身体がだるく感じる
  • 一日中眠くてたまらない
眠い,だるい

これらは、
妊娠によって体内のホルモン分泌が大きく変わるために現れるのです。

では、妊娠が確定するにはどのような条件が必要なのでしょうか。
その条件は3つあります。

「胆嚢の確認」「胎芽の確認」「心拍の確認」の3つです。

胆嚢の確認:胆嚢とは、「胎児が子宮内で入る袋」のことを言います。

胆嚢とは

胎芽の確認:胎芽とは胆嚢の中にできる4~8㎜程度の小さな輪状の物質です。

胎芽は

心拍の確認:7~8週頃になると、胆嚢、胎芽の確認と共に、胎児の心拍も確認ができます。

心拍の確認

卵子と精子の寿命

 妊娠とは、卵子と精子が出合って成立する…と一言で言ってしまうと簡単なのですが、卵子と精子が受精するまで、着床するまでの過程は、奇跡の連続なのです。

卵子と精子は短命で、それぞれが出合う確率はとても低いのです。

膣内に射精された精子は女性の体内で3~5日間、生きることができます。
卵子は排卵されてから24時間~48時間以内に精子と出合わないと、息絶えてしまいます。

基礎体温を測り、排卵日を予測してセックスをしたとしても、少しでもタイミングがズレたり、身体の不調があったりしたら、妊娠することはできません。

以上からも分かっていただける通り、卵子と精子はそれぞれ短命で、さらにはタイミングや体調で妊娠成立の可能性は左右されてしまうのです。

妊娠の仕組みとホルモンーまとめー

妊娠まとめ

いかがでしたか?

やんわりとは知っていたことも、ここでしっかりと知識として学べたのではないでしょうか?

仕組みやホルモンの働きを知っておくと、生活の中でちょっと意識することも変わってくると思います。

命って本当に奇跡です!

授かった命、授かろうとしている命・・・。
全て尊く、大切なものなんですね・・・。

あなたも、そんな尊い命と出会えますように!