マタニティライフ総まとめー妊娠9ヶ月(32~35週)ー

今回の大きなテーマは『マタニティライフ』です。
気になる妊娠中のママ、赤ちゃんの様子、気をつけたいことなどを、妊娠の経過ごとにまとめます。

ここでは「妊娠9ヶ月」についてまとめます!

妊娠後期『9ヶ月』

この頃になると、あなたの周りに入院する際の荷物や、赤ちゃんのための必需品も揃ってきたのではないかと思います。

あなたの頭の中も、赤ちゃんと出産のことでいっぱいなのではないでしょうか。

赤ちゃんに会えるのを、今か今かと待ち望んでいる反面、心配や不安も膨らんできていると思います。

でも大丈夫です!!
世のお母さんは、皆この「出産」を経験し、乗り越えてきています。
あなたに乗り越えられないわけがありません!!!

お産の流れや呼吸法を頭に入れて、イメージしておくと良いでしょう。
そうすれば、本番になって慌てずに済みます。

立会い出産であろうが無かろうが、パートナーにもお産の流れや呼吸法を理解しておいてもらいましょう!
寄り添っているパートナーにもできることはたくさんあります!
一緒にいて呼吸を促してあげるだけでも、陣痛に苦しむママは安心できるものなのです!

妊娠9ヶ月

ママの様子

「つわり」の時のように、胸やけがして食欲が落ちる。
おりものがさらに増える。
外陰部に腫れぼったい圧迫感を感じる。
血液循環量が増え、むくみやすくなる。
心臓や胃などの臓器が子宮で圧迫され、不快感が出る。
おなかがかゆくなる。
肺が子宮に圧迫され、息苦しくなる。
よく眠れなくなる。
動作が鈍くなる。
ブラクストン・ヒックス収縮の回数が増える。

大きくなった子宮は、みぞおちの辺りまで達しています。
心臓や胃など、周辺の臓器が圧迫されるために伴う「不快感」が、いろいろと出てきます。

初期の頃のつわりのような、胸やけがして食欲が落ちることもあります。
1度の食事の量を減らし、何度かに分けて食べるようにしましょう。

妊娠経過に異常がなければ、血行を良くしたり体重管理のためにも、ウォーキングなどの運動を続けると良いです。
お産の際の体力づくりにもなります。
でも、無理は厳禁です!!
無理に運動をしなくても、無事にお産はできます!

ブラクストン・ヒックス収縮

陣痛のリハーサルのようなものです。
経産婦の方が、この収縮を早い時期から感じ、収縮も強くなります。
本番のお産で赤ちゃんをうまく押し出せるように、子宮の筋肉を収縮させるウォーミングアップのことです。
初めに子宮の上部が固くなり、徐々に下へと広がります。
15~30秒ほど続くのが普通です。
まれに、2分以上続くこともあります。
痛くはありませんが、違和感はあります。

「母親学級」「両親学級」等で教えてもらったお産の兆候や流れについて、頭に入れておいたり、練習したりしておきましょう。
どこで陣痛や破水が起こるか分かりません!
パートナーと、いろいろなパターンでの動きや流れを話し合っておくと良いですよ!

赤ちゃんの様子

皮下脂肪が増え、身体がふっくらしてくる。
体型の個人差が大きくなる。
目鼻立ちがハッキリしてくる。
超音波映像で、表情の変化が見られるようになる。
「毳毛(ぜいもう)」が消え、胎脂が増えてくる。
肺機能は成熟する。
子宮の中での位置が固定されてくる。
胎動は強くて規則的になる。

この頃の赤ちゃんは、身長45cmくらい、体重は2500gくらいです。
大体、スイカ半玉分の重さです。

皮下脂肪が増え、ふっくらしてきます。
顔のシワがなくなり、張りが出てきます。

体型の個人差が大きくなる頃です。
表情も豊かになり、目鼻立ちもハッキリしてきます。

毳毛が消え、胎脂が増えてきます。
胎脂とは、新陳代謝で皮膚からかがれた細胞や、皮脂腺からの分泌物などのことで、身体を保護してくれるものです。
出生時まで、赤ちゃんの頭や顔、身体にべったりと付いて、肌を守ります。

髪の毛が長くなり、爪は指の先端まで伸びてきます。

肺機能は成熟します。
しかし、体温調節機能などはまだまだ未熟です。
もう少しママのお腹で成長する必要があります。

妊娠9ヶ月頃の検診

この頃の検診は、特に問題がなければ週に1回です。

あなたが通院している病産院によって、検査方法や内容は違うかもしれませんが、以下のような検診を行います。

検査内容

・体重と血圧
・尿中の糖とたんぱく
・赤ちゃんの心拍の確認

・子宮の大きさ(外部からの触診)
・子宮底長(恥骨上端~子宮上端までの距離)
・赤ちゃんの大きさと位置の触診

・手足のむくみ、下肢の静脈瘤
・B群連鎖球菌の有無

・現在の症状(特に普段と違う症状について)
・質問事項、相談

妊娠9ヶ月頃のQ&A

息が苦しくなる。赤ちゃんに十分な酸素は届いている?

息切れするからといって、ママや赤ちゃんが酸素不足というわけではありません。

妊娠すると、呼吸器系統が変化します。
酸素をより多く取り入れて、効率的に活用するようになるのです。

それでも、ほとんどの妊婦が「息切れ」「息苦しさ」を経験します。

特に妊娠後期の3ヶ月は、大きくなった子宮が横隔膜を押し上げて肺を圧迫します。
こうした症状が起こりやすくなるのです。

お産が近づき、赤ちゃんが骨盤の中に降りてくると、圧迫感が消えて楽になることが多いです。

それまでの対策としては、

前かがみにならずに、背筋を伸ばして座る。
横になる時には、枕を2、3個使って上半身を高くする。
激しい活動は避ける。

【呼吸が速くなる】
【唇や指先が紫色になる】
【脈が速くなる】
息切れ以外に、これらの症状がある場合には、何らかの異常があると考えられます。
すぐに医師に連絡してください。

肋骨周辺が痛い。赤ちゃんの足が突っ込んでいる感じ・・・。

妊娠後期になると、子宮の中は窮屈になります。
赤ちゃんが手足を伸ばす余地がなくなります。

そこで、あなたの肋骨の間に少しの隙間を見つけて足を突っ込むのです。
これはいわゆる「肋骨痛」の原因です。

あなたが姿勢を変えれば、赤ちゃんの体勢も変わるかもしれません。

「深呼吸をしながら、腕を頭上に伸ばし、息を吐きながらおろす。」
これを片腕ずつ2、3回繰り返すのも効果があるかもしれません。

それらでも効果がない場合には、残念ながら我慢するしかありません。
お産が近くなればおさまります。

笑うたびに尿漏れ。どこか悪いから?

妊娠後期になると、軽い尿漏れを起こす人がいます。
普通は、笑った時や咳やくしゃみ、激しい動きをした時に起こる程度です。

これは「腹圧性尿失禁」と呼ばれるものです。
大きくなった子宮が、膀胱を圧迫するのが原因です。

もし、「漏れたかも」と思ったら、尿かどうかを必ず確認してください。
においを嗅いで確かめてください。
においがしない場合には、羊水が漏れた可能性があるからです。
もし、羊水の可能性があれば、すぐに医師に連絡してください。
尿であった場合には、次回の検診の時に医師に相談してください。

母に妊娠後期には入浴しないように言われた。これって正しい?

昔の知識から、そうアドバイスしたのだと思います。
昔は、「浴槽の汚れたお湯が膣から入って羊水感染を引き起こすことがある」と考えられていました。

でも今では違います。
意図的に膣に注入したり、プールに飛び込んだりしなければ、水が入ることはないと考えられています。

もし浴槽の水が入ったとしても、粘液が子宮口をふさいでいます。
羊膜や羊水、赤ちゃん自身も「感染性微生物」の侵入を受けないことが、臨床的に証明されています。

そのため、正常な妊娠ならば、ほとんどの医師が入浴を認めているのです。

しかし、入浴やシャワーが全く危険が無いものではありません。
妊娠後期になると、どうしても動きが鈍くなります。
そのために、滑ったり転んだりしやすいのです。

いつも以上に注意して入浴してください。

この時期になっても運転して大丈夫?

運転席に身体がおさまる限り、運転してもかまいません。
少しでも楽な姿勢で座れるように、座席を下げたりハンドルの角度を変えたりしましょう。

めまいなどの安全運転を妨げる症状がなく、短距離であれば、出産の日まで運転はできます。

とは言っても、妊娠後期になると自分で運転するしないにかかわらず、1時間以上車に乗っていると疲れてしまいます。
長時間車に乗る必要がある時には、医師に相談してください。

長時間車に乗る時には、

1、2時間で休憩をとるようにする。
首や全身のストレッチをする。
シートの上でこまめに身体の位置、体勢を変える。

出産の日まで運転できるとは言っても、「陣痛」が始まったら自分で運転してはいけません!

B群連鎖球菌って何?

「B群連鎖球菌」の検査は、あくまで“念のため”です。

B群連鎖球菌(GBS)は、細菌の一種です。
健康な女性の膣内でも見つかることがあります。
大人が菌を保有していても特に心配はありません。
しかし、新生児が分娩時に膣を通過する時に感染してしまうと、深刻な問題を起こすことがあります。

GBSは、保菌していても症状はありません。
そのため、保菌者かどうかを検査しなければならないのです。

もし、保菌者であるかの検査を求められなくて、検査をしてもらいたい場合には、医師に検査を希望してみてください。

GBSの検査は、子宮頸がん検診と同じ方法です。

体重が大幅に増加してしまった。難産にならないか心配。

あなたの体重が増える=赤ちゃんの体重が増える
というわけではありません。

赤ちゃんの大きさは、お腹の触診や子宮底高の計測によって割り出されます。
これらはあくまで“推測”です。
500g前後のズレがあります。
超音波であればもっと正確に調べられますが、それでもピッタリとはいきません。

また、赤ちゃんが大きいからといって、必ずしも難産になるとは言い切れません。
確かに小さい赤ちゃんは、短時間で産道を通り抜けることはできることが多いです。
でも、大き目の赤ちゃんであっても、問題なく経膣分娩で産まれてきます。

難産になるかならないかは、体重が重いことよりも、赤ちゃんの頭の大きさが決め手となります。

9ヶ月にしてはお腹が小さいと言われた。育っていないの?

妊娠中の体型は人それぞれです。
お腹の形や大きさは、妊娠前の体格、体重の増え方、食事の内容などの要因に左右されます。

赤ちゃんの発育と健康状態が正確に分かるのは、かかりつけの医師だけです。
医師の言葉に耳を傾け、他の余計なアドバイス等は聞き流しましょう!!

「逆子」だと言われた。なおる?

「逆子分娩(骨盤位分娩)」になることを覚悟するのも良いですが、今はまだ赤ちゃんの向きが変わる可能性もあります。
多くの赤ちゃんは、32~36週で「頭位」に落ち着くからです。

私も、この頃から「逆子」であると診断され、病院で指定された「逆子体操」を行っていました。
私が通っていた病院では、「逆子」であると診断されると、1週間後に逆子がなおっているかの検査をすることになっていました。
「逆子」と診断→1週間後「逆子」がなおる→通常の検診「逆子」と診断・・・
通常の検診が2週毎にあったので、毎週通う形になっていました・・・。
「逆子」と診断されるたびに、「勘弁して・・・。」と思っていたのを覚えています。

あなたのかかりつけ医師に聞いてみると良いでしょう。
きっと「逆子体操」の方法を教えてくれるはずですよ。

双子・三つ子などの多胎妊娠の出産はどんなもの?

単胎出産と大きく違いがあるものではありません。

双子でも、経膣分娩での出産もあります。
私が行っていた病院や双子を出産した知人は、皆「帝王切開」での出産でした。

大きく違いが無いとは言っても、問題が生じる可能性が高いことは間違いありません。
そのため、それなりの予防策がとられます。

経膣分娩から、いつでも帝王切開に切り替えられるように準備しておいたり、新生児に問題があってもすぐに対応できるように、小児科や新生児専門医が待機しているそうです。

子どもが2人以上いると、育児中も何が起こるか分かりません。
出産でも同じことです。
出産する子どもの人数が多い分、出産方法も1つではすまない事だってあるのです。

実際の出産状況によって、医師が臨機応変に対応してくださいます。
心配であれば、医師に相談してみると良いでしょう。

できるだけ自然分娩で産みたい。帝王切開にならないか心配。

「帝王切開」は、非常に安全で、時に命を救う処置です。
どうしてそれを嫌がるのでしょうか。

『お腹を切るのは怖い』

これが嫌がられる理由として多い意見です。
正直、出産する時には「怖い」などと言ってられなくなります。

でも、それと同時にある最大の理由が、
『帝王切開になる可能性を現実的に考えようとしていないこと』ではないでしょうか?

自然分娩の流れは勉強するのに、帝王切開の勉強は特にしていない。
パートナーに寄り添ってもらい、必死にいきんで赤ちゃんを産むことはイメージできても、麻酔をしてもらい、なすすべなくベッドに横たわって、器具等を使って赤ちゃんを取り出されるのは考えもしない。

それだと、いざ帝王切開になって出産をした時に、思い描いていた出産と違うし罪悪感や失望感、怒りのようなものが湧き起こったりもします。
せっかくの出産や産褥期が台無しです。

少しで知識を入れておき、心の準備をしておくと、帝王切開への嫌悪感もなくなると思います。

帝王切開になる心配が無いと思っている方も、ちょっと勉強しておくだけで不安はかなり軽減できます。

心配であれば、医師に聞いてみるのも良いでしょう。
あなたの出産に必要か、どのようなものかなどを、しっかり答えてくれるでしょう。

夫との関係が変化し始めている。

赤ちゃんが誕生して3人家族になると、どんな夫婦であっても今まで2人だった関係に変化が現れるのは当然です。
お互いの関係や優先順位が変わっていきます。

これらの変化は、妊娠中から少しずつ変わってきています。
その方が、一気に変わるよりもストレスなく順応できます。

今、あなたが変化を感じていても、それは今のうちから経験しておく方が良いのです。

人生の特別なイベントである「妊娠」と「出産」に、夢中になるのはしごく当然のことです。
しかしそれによって、人生の他の部分を犠牲にするべきではありません。
生活するうえで常にある「夫婦関係」は、最も大切なものです。
赤ちゃんが産まれると、どうしても赤ちゃんにかかる時間が多くなります。
今のうちに、赤ちゃんにかかわること以外で、パートナーと過ごす時間を確保してみてはいかがでしょうか。

映画鑑賞・レストランでの食事・パートナーへサプライズプレゼント・パートナーがやりたい、見たいと言っていたところへ行く 等々・・・

出かけなくても、家で食事をする時に、何気ないことでもたくさん会話を楽しんでください。
できるだけ赤ちゃんの話題以外がいいですよ。

ちょっとしたことでもコミュニケーションをとり、二人の関係をしっかりと愛のある状態で維持していれば、
赤ちゃんが夜泣きをして大変な時でも、一緒に助け合うことができ、楽しく乗り越えられます。

それによって、赤ちゃんが育つ環境も、愛がある幸せで明るい家庭環境になるのです。

妊娠9ヶ月ーまとめー

赤ちゃんに会える日もすぐそこです!
準備は整っていますか?

赤ちゃんに必要な「物」の準備も大切ですが、整えておくものはそれだけではありません。

赤ちゃんが安定して成長するのに必要なものは、「環境」です。
その「環境」も整えて欲しいのです。

ママとパパが仲良しで、イライラすることもあるし喧嘩もあるけど、でも笑顔も笑い声も絶えないような、明るい家庭です。

子育ては大変なことが多いです。
思い通りにはいきません。
想像した通りになりません。
どうしてもイライラしたり、パートナーと言い合いになることだってあります。
それで良いと思います。

でも!
そればかりでは、赤ちゃんにとっては辛い環境になってしまいます。
できるだけ赤ちゃんには聞こえない、見えない場所で話し合うことを意識してください。

3人で過ごす時には、ぜひたくさん笑って、楽しく過ごせる環境を作ってください!

その準備を、今から始めましょうね!!

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