妊娠すると、血液循環量が増え、血管に与える負担が大きくなります。
それによって引き起こしてしまう「高血圧症候群」。
妊娠している方なら、誰でも起こり得るトラブルです。
今回は「妊娠高血圧症候群」に焦点を当ててみましょう。
このトラブルは、あらかじめ知っておくと予防ができます。
ぜひしっかり読んで、参考にしてくださいね☆
この記事を参考にし、心当たりがあればかかりつけの医師に相談して、しっかり診察してもらってくださいね!
自己判断は禁物です!
あくまで参考程度にしてくださいね!!!
妊娠高血圧症候群とは
妊娠を意識すると、「妊娠高血圧症候群」という言葉を良く耳にするようになったのではないでしょうか?
実際にどのような症状なのでしょう。
妊娠が身体に与える負荷のうち、血管に与える負荷が大きくなることで起こる病気。
全身の血管内皮細胞の機能が低下し、それがさらに痙攣のような収縮が起こります。
血管が痙攣すると血圧が上がり(高血圧)、血管の痙攣が腎臓で起こると、尿タンパクが現れます。
「妊娠高血圧症候群」は、「子癇前症(しかんぜんしょう)」や「妊娠性高血圧」とも言われています。
妊娠中に発症する“高血圧”に関係した異常のことです。
妊婦全体の5~10%に見られる症状です。
妊娠による負荷は、週数が進むにつれて大きくなります。
そのため、この病気が発症するのは20週以降です。
高血圧と尿タンパクの両方が見られることもあれば、高血圧の方だけが見られることもあります。
血圧が正常で、尿タンパクが見られた場合には、「妊娠高血圧症候群」とは診断されません。
妊娠高血圧症候群の原因
「妊娠高血圧症候群」は、元々高血圧や腎臓病、糖尿病などの持病がある人、遺伝的な素因を持っている人がなりやすいと言われています。
また、血管が老化し始めている高齢の妊婦さんや多胎妊娠も、ややリスクが高くなります。
また、初産の時に発症する割合が高いです。
妊娠中に急激に体重が増えたり、過度なストレスを抱え込むなど、身体への負担が大きくなることで発症することもあります。
また、一部の「妊娠高血圧症候群」と「ビタミンE」「マグネシウム」の欠乏をはじめとする、“栄養不足との関係性”が、研究によって明らかになっています。
さらに、「妊娠高血圧症候群」にかかる女性は、糖分の多い食事を取ることが多いことから、中性脂肪が高い傾向にあります。
また、「妊娠高血圧症候群」は、異物である『胎児』への免疫反応であるという説もあります。
母体が胎児や胎盤に対して、アレルギーを起こすということです。
そのアレルギー反応によって、母体の血液や血管に損傷を与えてしまうのです。
これらの諸説に関する今後の研究によって、妊娠中のトラブルのより良い治療法が生み出されるかもしれませんね。
妊娠高血圧症候群の症状と徴候
具体的にどのような状態になったら、「妊娠高血圧症候群」であると診断されるのでしょうか。
妊婦検診の時に、血圧を測定していると思います。
その際に、今まで高血圧になったことのない人が、妊娠20週以降に血圧が140mm/Hg~90mm/Hg以上に上がってしまうと、「妊娠高血圧症候群」であると診断されます。
軽症の場合は、体重が急増して手や顔にむくみが出たり、足首のむくみが12時間安静にしていても取れなかったり、尿にタンパクが出たりします。
治療をしないと、症状が急激に進んでしまい、重症になってしまうこともあります。
重症の場合は、血圧の上昇、尿タンパクの増加、目のかすみ、頭痛、発熱、心拍数の増加、意識障害、尿量の減少、上腹部の激痛、過剰な反射反応、不穏状態、痙攣、腎機能の異常などの症状が現れます。
これらの症状のいずれか、または全てが症状として現れます。
胎児の成長が妨げられたり、羊水の量が不足したりもします。
幸い、定期的に検診をしていれば初期のうちに発見でき、管理や処置を受けることができます。
しかし、放っておくと、さらに深刻な症状に悪化してしまう可能性も高くなります。
時に、出産時や産褥期になってから、この症状が現れることがあります。
この時期に血圧が急に上昇した場合には、単にストレスへの反応であることもあります。
しかし、まぎれもない「妊娠高血圧症候群」であることもあります。
そのため、どの時期であっても、血圧の上昇が見られる場合には、慎重に経過を見守る必要があります。
妊娠高血圧症候群の対処法
「高血圧症候群」を早期発見するためには、妊婦検診をしっかりと受けて、血圧や尿検査で定期的にチェックすることが大切です。
遺伝的な素因も関係はありますが、誰でもなり得る病気です。
また、「妊娠高血圧症候群」がさらに悪化しないようにするための治療法や薬はありますが、根本的に“治す”治療法はありません。
究極の治療は、『出産』なのです。
治療法の代わりに、症状を軽減するためのポイントや、対処法をしっかりと覚えておきましょう。
妊娠が正常に継続できていれば、赤ちゃんにはあまり問題は起こりません。
しかし、症状が悪化してしまうと、“血管の収縮”と“粘度の高い血液”のために、胎盤の血流が悪くなってしまいます。
ということは、赤ちゃんに十分な酸素と栄養を送れなくなります。
赤ちゃんが育ちにくい状態(子宮内胎児発育遅延)になってしまうこともあります。
妊娠の継続が危険であると診断された場合には、帝王切開や誘発分娩で赤ちゃんを娩出することになります。
急激な体重の増加は、身体への負担を大きくします。
体重管理がとても重要です!
ストレス、睡眠不足、疲れで症状が悪化することがあります。
規則正しい生活を心がけましょう。
血圧測定、尿検査は「妊娠高血圧症候群」の早期発見に繋がります。
心配な人は、自宅でも計測すると良いですよ。
塩分は1日7~8gが目安です。
バランスの良い食事を心がけましょう。
必要があれば、カルシウムのサプリメントを摂取することをすすめられることもあるかもしれません。
カルシウムを摂取すると、「妊娠高血圧症候群」のリスクが低くなるとの証拠が見られるからです。
しかし、カルシウムが十分に足りている人には効果はありません。
医師が判断し、必要であれば教えてくれるはずです。
まとめ
いかがでしたか?
あなたの身内で、高血圧の方はいますか?
妊娠時に「妊娠高血圧症候群」になった方はいますか?
この症状を治すための明確な治療法がない代わりに、日頃からできる予防策はあります。
食事やストレスなどの生活習慣を見直して、高血圧にならないように過ごしましょう!
心配であれば、医師に相談するようにしましょう!
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